平成18年9月定例議会報告 (第30号)
9月定例議会が終了しましたので議会報告を致します。本会議は9月6(水),7(木),8(金),11(月),22(金)と5回開かれました。このうち、6・7は一般質問、8・11は議案の説明・質疑、22は討論・採決でした。
@上水道にはきれいでおいしい木曽川の水を
長良川河口堰完成後、知多半島東浦以南に供給する知多浄水場の水源は木曽川中流の兼山取水口を水源とする愛知用水の水から、長良川河口堰の水に切り替えられました。それ以来、マズイ、クサイという苦情があったにもかかわらず、私たちは河口堰の水を飲んでいます。たくさんの人たちが、早く木曽川の水に戻して欲しいと願っています。
知多浄水場には、木曽川の水と河口堰の水を両方供給できるようになっています。それなのに、飲料水には河口堰の水、工業用水や農業用水には木曽川の水では、納得がいきません。河口堰の水は、非飲用水に振り向け、よりきれいな木曽川の水を飲料水に優先して供給するのが当然ではないでしょうか。
※水質を相対的に比較したもの。両水源とも水道水の水源としては問題ない。
<河口堰の水質が劣っているのは当然>
水質データを見ると、窒素、リンなど、多くの項目で長良川河口堰の水のほうが劣っています。劣っているのは当然のことで、長良川の最下流の河口で取水しているからです。長良川の流域人口は85万人。
<それをわざわざ知多浄水場で活性炭処理>
知多浄水場では、活性炭を投入することによって、河口堰の水を上野浄水場の木曽川の水と同等レベルまで浄化しています。最初から、木曽川の水を使えば、浄水場の薬剤投入も少なくて、きれいでおいしい水が手に入るはずです。
<工業用水と上水道の水を交換すれば>
知多浄水場で使っている河口堰の水を工業用水にまわして、工業用水に使っている木曽川の水を同量上水道にまわせば、知多半島の人たちは木曽川の水を飲むことができるのです。水の帳尻が合っていれば水利権争いが問題になることもないと思います。
<既に行われている水の融通>
現に、知多浄水場、上野浄水場では、木曽川と長良川河口堰のブレンド設備があり、緊急時には必要に応じて水を融通しあっています。また、水の原価は同じではないので、差額決済しているかといえば、実際には等価交換しているそうです
ならば、水を交換することに何ら問題はないはずです。役所は、あくまでも「緊急」と言い訳していますが、恒常的にできないと言い張る理由が理解できません。
<役所の頭が固いだけ。もっと柔軟な対応を>
町長も水道部長も、機会ある毎に県へ要望すると言いつつ、水利権が絡んでおり実現は困難との立場です。
工業用水と飲料水の水源の交換については、既得権を持つ水利権者が特段の不利益を受けるとも思えません。ぜひ関係者がテーブルに着いて話し合って欲しいものです。
A個人情報保護はいき過ぎていないか
個人情報保護に過敏になるあまり、不便、不都合を生じていないでしょうか。例えば、保育園や学校の学級名簿や連絡網が公表されなくなりました。
「個人情報保護」に対する過剰反応は、社会生活における円滑なコミュニケーションの妨げになる恐れもあります。昨今、災害対応や防犯対応の必要が高まっている中で、緊急時の連絡に問題を生ずる危険はないのでしょうか。
総務部長は、「児童、生徒の保護者から同意を取ることができれば名簿や連絡網を配布することは可能。どの範囲が適当かは校長会やPTAで検討したい。過敏に反応して、コミュニティーを損なわないように気を配りたい。」との答弁。町長も、「統一的な町としての解釈を確立し、関係者の同意を積極的に取っても作っておいたほうが良いものはやっておく必要がある。」との答弁でした。
質問の最後に、「行政に情報の公開請求をする場合に、個人情報を盾に公開を渋るケースは考えられないか? 岐阜県では今、ウラ金問題がクローズアップされているが、個人情報を理由に本来公開すべき情報を隠すようなことはあってはならない。」と付け加えておきました。
B町のホームページをより使いやすく
18年度から町のホームページが委託から各課による自作に切り替わって、かなり雰囲気が変わりました。自主制作できる体制になったことは良いことだと思いますが、今まさに発展途上の状態です。
まず、使い勝手の面から、トップページの分類が役所の縦割りそのまま、利用者の立場で再配置が必要、防災・防犯情報は左上の目立つところに欲しい、図書館へのリンクがない、公共施設全体の地図、町の行事予定が欲しいなどの改善点を指摘しました。
また、相変わらず政策情報の提供が不十分です。他の自治体では、財務状況から、各種マスタープラン、目玉となる政策まで、細かな資料を表やグラフを駆使して公表しています。
情報公開と住民参加にも活用すべきです。情報公開請求の手続きの説明がありません。住民から寄せられた意見をデータベースにして公表したり、策定過程の予算も公表して意見募集するなど、意思決定への住民参加のツールとしていくべきです。
企画財政部長の答弁では、技術面と内容面で改善点を認めつつ、意思決定への住民参加には慎重な姿勢を示しました。
[条例・その他]
@教育委員の選任(稲葉耕一氏の再任)
A税条例の一部改正(地方税法改正に伴う語句の整理)
B国民健康保険条例の一部改正(出産育児一時金を35万円に増額)
C消防団条例の一部改正(消防組織法改正に伴う語句の変更)
D消防団員等公務災害補償条例の一部改正(消防組織法改正に伴う語句の変更)
E非常勤消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部改正(消防組織法改正に伴う語句の変更)
F中央公民館空調設備改修工事および中央公民館・保健センターのアスベスト含有吹付け材撤去工事請負契約の締結(6,510万円,落札率96%,テクノ菱和)
G平成18年度一般会計補正予算(優遊健康器具施設工事、障害者福祉相談支援委託料、まちづくり交付金による緒川市街地内整備、生路小学校グランド隣接地購入など)
H平成18年度国民健康保険事業特別会計補正予算(共同事業拠出金、療養給付費確定)
I平成18年度土地取得特別会計補正予算(一般会計へ緒川公民館用地等を売払い)
J平成18年度緒川駅東土地区画整理事業特別会計補正予算(繰越増と新規借入の中止)
上記すべての議案は、全会一致で可決されました。
Bでは健康保険法の改正に合わせて、国保加入者の出産育児一時金が5万円増額されて35万円になります。
Gには、於大公園に設置された優遊健康器具(芝生広場に新しくできた老人向け遊具)に屋根をつけるための予算が含まれます。優遊健康器具の設置費(1千万円)に対して国の補助金をもらうためには上屋をつくる必要があることが判明しました。雨露をしのぐだけなら於大公園のステージのような金属のフレームとテント地だけで十分ですが、建築基準法上の建物とするには東京ドームを覆うような特殊なテント地とそれを支える躯体が必要となります。補助金がもらえるのだから、ついでに公園の管理面も考慮して植栽などの外構も追加しようということになったために、追加予算が2,300万円、計3,300万円(内、補助金は1,800万円)に膨らんでしまいました。
補助金がつくからといって滅多やたらと補助事業に手を出す時代は終わりました。補助金とて元は住民の税金であることを肝に銘じて十分に吟味した上で有効に使ってもらいたいものです。補助金をもらうために追加工事をして予算が膨らんでしまっては元も子もありません。町は、利用者のためにも、木製器具の耐久性からも、公園管理の安全面からもしっかりした建物が必要との立場ですが、私は「へたに外構で囲ってしまうよりも開放的な方が良い。屋根の設置は必要としても、もっとコストを抑えるべき。」と注文をつけました。
[決算認定]
@平成17年度一般会計決算
A平成17年度特別会計決算
B平成17年度水道事業会計決算
平成17年度(平成17年4月〜平成18年3月)予算が適正に執行されたかどうかを、決算書に沿ってチェックします。決算書には一般会計120億円と5つの特別会計(国民健康保険事業、土地取得、老人保健、下水道事業、緒川駅東土地区画整理事業)86億円、合計206億円もの使途が科目毎に記載されています。
採決の結果、AB(5つの特別会計と水道事業会計)は全会一致、@は共産党を除く賛成多数で認定可決されました。
<入札改革は>
東浦町の落札率(落札額/予定価格)は相変わらず96%程度で高止まりしています。入札改革をやると2割程度は落札率が下がるといわれています。先日視察に行った兵庫県小野市でも一般競争入札の導入などにより60〜80%台の落札率になっています。手抜き工事が怖いと言いますが、本来発注者が責任を持ってチェックすべきところを、市民に価格転嫁するのはおかしいと思います。
行政の発注が減り、設計価格も下がってきて、請負業者の利益が出なくなってきているのは事実だと思います。しかし、価格競争がなければ産業は育たないと思います。
<水道会計の現預金>
上水道は借金まみれの下水道とは違って、健全な財務内容です。経常利益約6千万円、借入金は約7千万円。現金・預金は13億円もあります。しかし、この13億円がペイオフ対策の名残で当座預金に入ったままになっています。全く利息がついていないことを指摘すると、18年度になって国債や定期預金での運用を始めたばかりとのことでした。
[議員提出議案]
@町議会議員の定数を18に定める条例改正(蒼志会提案)
A町議会議員の定数を19に定める条例改正(自民系提案)
議員定数の削減については議会改革の一環で6月から議論してきました。我々の会派(蒼志会)は当初から定数を15〜16とする思い切った削減を考えていました。しかし、他の会派の賛成を得なければならないことを考慮して18(現行の21から3減)にすることを提案しました。一方、自民系会派(親和会)は、削減に反対の議員も多くなかなか意見がまとまらず、態度を保留してきましたが、9月議会直前になって、やっと19(2減)案でまとまりました。
我々は、減らすならばお茶を濁すような減らし方は好ましくないし、3つある常任委員会の定数を6(チェック機能を保持しつつ忌憚のない議論ができる人数)と考えて6×3=18、町内に6つある地区から平均3人の代表を出して18、等々の考え方からも18案が適当と主張しました。
住民のなかに議員の数が多すぎるのではないかという声が根強くあるのは、皆さんも御承知の通りだと思います。平成15年の町議会議員選挙では候補者の数が議員定数を超えずに無投票となっています。現実の議会を見ても、議事に参加している議員がどれだけいるのか疑問です。
しばしば、議員定数を削減するとチェック機能が果たせないとか住民の声を行政に反映できないとか言われますが、近隣市では人口比にして東浦町よりも少ない議員で市政運営を行っており、同程度の定数削減は十分に可能と考えます。
また、行政側がさらなる行財政改革に迫られている中で、議会としても、率先して改革の姿勢を示す必要があることは言うまでもありません。(尚、議会改革については、議員定数削減のみではなく、議会活動のさらなる活性化、住民に認められる議会を目指して、思い切った制度改革を進めているところです。)
共産党は削減に反対。他の議員は削減やむなしの立場です。
@の採決は、我々3人に公明党3人、1人会派の計7人の賛成少数で否決となりました。
Aの採決で上記7人+共産党の3人が反対にまわると、Aも否決されて、議員定数を減らすことはできなくなってしまいます。そこで、我々は議場を退席することにしました。退席すれば、最悪でも17人の出席議員中、9人が賛成すれば可決できます。実際には、公明党と1人会派が、とにかく議員定数削減のためには対案に賛成することもやむなしとして、賛成したために17人中賛成13人でAが可決されました。
[請願・意見書]
@第八次定数改善計画の実施と学級規模の縮小を求める請願
A教育基本法の改正ではなく、その理念の実現を求める意見書の採択を求める請願
B市町村独自の私学助成の拡充を求める請願
C第8次定数改善計画の実施と学級規模の縮小を求める意見書
D国の私学助成の増額と拡充に関する意見書
E愛知県の私学助成の増額と拡充に関する意見書
F地方の道路整備の促進と道路整備財源の確保に関する意見書
@BCDEは、毎年、東浦の教職員組合から要請が来るもの。Fは国・県から道路財源を温存するために意見書を出すように市町村に圧力が掛かったもの。
Aは共産党のみの賛成で否決。他は全会一致で可決されました。
今年も、生路の厄松池の掃除をします。土手の雑草と池のヨシを刈って、ビンやカンやペットボトルなどのゴミを拾って、池の冬支度をします。
10月29日(日)9:30に厄松公園集合、午前中に終わりたいと思います。飛び入り大歓迎ですので、皆さんのご協力、ご参加を心よりお待ち致しております。水環境をテーマに学習をしている小学生もボランティアでお手伝いに来てくれるそうです。
実は、8月にシロちゃんが死んでしまいました。ちょっと目を離したすきに硬くなっていました。ほんの1時間ほど前には元気だったのに。熱射病に弱いので、炎天下には外に出さないようにと言われていたのですが、「おなかがすいては」と思い、木陰の近くにひもを結んでおいたのです。しかし、ひもが絡まって身動きが取れなくなってしまったようです。随分慣れてきたので首輪をとってやろうと思っていた矢先でした。
可愛そうなことをしてしまいました。来年またヤギを飼うかどうかはわかりません。
これはあくまでも私個人の目から見た議会活動報告です。私の考えをできるだけ率直に述べたつもりです。意見・考え方を異にする方も居られるのは当然のことと思います。ご意見、ご批判、ご要望、アドバイス等何なりとお気軽にお寄せください。
12月定例議会本会議の開催予定は12月7(木),8(金),18(月)の3回で、いずれも朝9時30分からです。7・8は主に一般質問、8の後半は議案の説明・質疑、18は討論・採決です。
平成18年10月11日
神谷明彦
E-mail kamiya-a@mbk.nifty.com
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