平成18年3月定例議会報告 (第28号)
3月定例議会が終了しましたので議会報告を致します。本会議は3月2(木),3(金),6(月),8(水),22(水)と5回開かれました。このうち、2・3は主に一般質問、3〜8は議案の説明・質疑、22は討論・採決でした。
今回、私は一般質問をしませんでした。従って、議案審議その他について報告します。主な議案としては、平成18年度予算案のほかに知多北部法定合併協議会の設置について審議しました。
今回は、休ませていただきました。
[条例案・その他]
@職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正(育児や介護のための早出遅出勤務)
A職員の給与に関する条例の一部改正(国家公務員に準じ給与を改定、調整手当を地域手当に変更。関連する6つの条例改正を含む)
B職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正(税務手当、防災手当、保育手当、霊柩車運転手当などの見直し)
C職員の退職手当に関する条例の一部改正(国家公務員に準じ、退職手当を改定)
D議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部改正(障害者自立支援法の施行に伴う語句の訂正)
E消防団員等公務災害補償条例の一部改正(障害者自立支援法の施行に伴う語句の訂正)
F教育振興基金条例の廃止(基金全額を取り崩し、町政100周年事業に充てたため)
G手数料条例の一部改正(事業廃止分の削除)
H障害者自立支援法施行条例の制定(障害者自立支援法の施行に伴い必要な事項を規定)
I特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(障害者介護給付認定審査会委員の報酬を規定)
J東ヶ丘交流館条例の制定(東ヶ丘交流館の新設)
K廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正(国の法律改正に伴う、語句の訂正)
L町営住宅条例の一部改正(半ノ木住宅の建替と生路住宅の一部廃止)
M国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例の制定(国民保護法の施行に伴い、国民保護対策本部および緊急対処事態対策本部の設置を規定)
N国民保護協議会条例の制定(国民保護法の施行に伴い、国民保護協議会の設置を規定)
O町道路線の認定(森岡葭野地内)
P片葩小学校耐震等改修工事請負契約の締結(校舎の耐震補強とアスベスト除去,6,982万円,東浦土建)
Aの一連の条例改正は、給料表の改定、昇級基準の変更、調整手当の廃止などを含みます。調整手当は、そもそも国家公務員の勤務地の違いによる生活費の格差を埋めるために作られたものです。それを地方自治体がそのまま真似て、例えば東浦町では規定の給与に調整手当9%を一律上乗せしています。本来、地域に根ざした市町村には不要なものです。しかし、調整手当を廃止するとしながら「地域手当」に言い換えたのみの、形だけの手直しになっています。いちいち国の真似をするまでもなく、市町村独自の給与体系を作り、成果主義を加味して人事評価をすれば良いと思います。
Cでは、中期勤続者の支給率を引き上げ、長期勤続者の支給率を微減することにより、勤続年数に対する退職金の頭打ちを早めます。
Jは、東ヶ丘に介護予防を目的として高齢者と地域住民の交流の場が誕生したことによります。新しい施設ができると、必ず設置と管理のための条例を定めることになっています。
MN国民保護法に基づき、各市町村でテロや武力侵略などの緊急事態に備えた体制を定めるものです。軍国主義化を心配する声もありますが、法律に基づき、災害と同様に緊急時に備えることは必要だと思います。
AMNPは、共産党を除く賛成多数で可決。他の議案は全会一致で可決しました。
[予算案]
@平成17年度補正予算(支出の確定による減額など)
A平成18年度一般会計予算
B平成18年度国民健康保険事業特別会計予算
C平成18年度土地取得特別会計予算
D平成18年度老人保健特別会計予算
E平成18年度下水道事業特別会計予算
F平成18年度緒川駅東土地区画整理事業特別会計予算
G平成18年度水道事業会計予算
平成18年度(平成18年4月〜平成19年3月)予算を決定しました。一般会計は122億円、5つの特別会計(国民健康保険事業、土地取得、老人保健、下水道事業、緒川駅東土地区画整理事業)は合わせて88億円、水道事業会計は原則独立採算の企業会計になっていて収入10億2,800万円と支出11億2,800万円を見込んでいます。
私は、蒼志会を代表して、一般会計予算案に対して以下の賛成討論をしました。
平成18年度一般会計予算案は、これまでの成果を持続的に発展させつつ、幾つかの新施策を盛り込んだもので、特に、石浜工業団地の推進は今後の財政基盤を左右するもの。まちづくり交付金制度を使った都市再生整備計画は、緒川地区で既存市街地も含めた一体的な市街地整備を目指すもので、今後のまちづくりの試金石。教育関係では、中学校ようこそ先輩事業や日本語適応教室事業。これらは、子どもが自分の将来を考える上でも、外国人をも考慮に入れた教育の国際化を考える上でも、先駆的な試みと考える。不妊治療に要する費用の補助は、少子化の中にあって子どもを欲しがる夫婦を励ます新施策だ。
全体として可決すべきものと評価する。執行に当たっては、最大効果の最小コストを常に心がけ、住民の福祉の増進に寄与すべく、より一層の精査を求めて、賛成討論とする。
Aは、共産党を除く賛成多数で可決。その他の予算案は全会一致で可決しました。
[請願・意見書案]
@米国産牛肉の輸入に関して、日本と同じBSE対策を求める請願
A精神障害者の医療費助成を求める意見書
@は町内の畜産業者の方々から出された請願ですが、判断に迷うとして共産党以外の会派から継続審査の提案があり、結論を持ち越しました。
Aは全会一致で可決しました。
[知多北部法定合併協議設置のための議案]
@知多北部法定合併協議会の設置
A平成18年度一般会計補正予算(法定合併協議会設置のための予算、1,300万円)
@Aは法定協議会を設置して合併に向けての法的な手続きに入るための議案です。私は、住民意向調査の結果を踏まえ、さらに具体的に合併協議を進めることに賛成するつもりです。しかし、役所の一方的なペースで合併の手続きが進められてしまうことには強い懸念を抱いています。
蒼志会の齋吉男議員と平林由仁議員は、私が賛成するにしても一言文句をつけずには居られないことを察してくれて、賛成討論を任せてくれました。
私の行った賛成討論は以下の通りです。
住民意向調査の結果を尊重して、さらに合併協議を進めるべく、知多北部法定合併協議会の設置に賛成する。
<合併協議を継続したほうが良いと考える人が過半数>
住民意向調査によれば、全体で6割の人が、どちらかといえば法定合併協議会を設置して合併協議を継続することを望んでいる。この結果は尊重する必要がある。
しかし、協議継続に賛成の人の中には、合併に迷いのある人も含まれていて、「合併賛成が6割」とは解釈できない。むしろ、合併協議継続を望んでいない4割の人は合併に反対していると解釈することもできる。
住民の中には「法定協議会は合併についてより幅広く深く可能性を探る場」との認識がある。行政もそれを肯定してきた。住民の多くは合併に賛意を示した訳ではなく、「さらに可能性を探る」ことに反対しなかったと解釈すべきではないか。
そんな中での「6割」だったことを肝に銘じ、役所のための合併ではなく、住民のための合併を追い求め、謙虚に協議を進めるべきだ。
<依然としてあいまいな合併の目的>
合併で、中核市をめざすというが、国・県から権限委譲を受けて、その権限でもって何がしたいのか不明。まだ、そのあたりの説明が不足していると感じる。
<合併に当たって検討すべきこと>
それから、合併によって生まれる投資余力(10年間で357億円と試算)の大部分を法人事業所税による増税で捻出しようとしているのは問題だ。本来、行政自身の改革で、行政の機能化、合理化、効率化を実現し、財政の安定化を図り、合併の効果を生み出すべきだ。
水道料金を安易に一番安い自治体に合わせると上下水道で年間約9億円の減収となるといわれている。それだけで特別職の報酬減などは簡単に吹き飛んでしまう。
合併後の報酬や給与の額をどうするかの議論がまだ見えてこない。一番高い東海市の体系に合わせると、せっかく定数を減らしても人件費の増加を招くことを心しておかねばならない。
<最終的な合併の賛否には住民投票が必要>
我々議員が有権者から負託を受けているのは、東浦町の枠組みがあることが前提になっている。枠組み自体が変わることになる合併の最終判断は(新市基本計画等、法定合併協議会の成果を示した上で)住民投票に付すべきだ。
<顔の見える住民自治か?官僚主導大型自治体か?>
合併して、大都市の仲間入りをすると、専門的職員が増えて「政策立案能力・行政執行能力」が増す期待はできるが、官僚主導型大型自治体になり行政と住民との距離が隔たる心配がある。法定合併協議会においてはそんな懸念を吹き飛ばす、コミュニティー主体の顔の見える、住民が主役の自治体を維持し、住民自治のあるべき姿を模索する議論をして欲しい。
<建設的な議論を>
どうか、知多北部法定協議会の設置に当たっては、私達の住む知多北部3市1町の合併に向けた建設的な議論をするとともに、オープンな運営に努め、新市のあるべき姿をできるだけ具体的に住民に示し、合併の可否について正々堂々と住民投票により住民の判断を仰ぐことを求めて、賛成討論とする。
是非、これからの都市間競争を行きぬける地方自治体のあり方を模索して欲しい。
東浦町議会においては、共産党を除く賛成多数で法定合併協議会設置の議案とそのための補正予算案が可決されました。
しかし、翌23日、お隣の大府市では自民党と共産党による反対多数でこれらが否決され、結局、平成16年1月から2年間あまり続いた合併協議はお流れとなりました。
昨年末に行われた住民意識調査(住民の約5%を対象とした無作為アンケート調査)の結果が1月には出揃いました。合併協議により積極的なのは東浦、東海、大府、知多の順で、全体としては、約6割が合併協議を支持する結果になりました。
住民意識調査の結果を受け、2月16日の任意合併協議会で、合併に向けての法的な手続きに入るため、法定合併協議会への移行を決議しました。そして構成市町の3月定例議会に、法定合併協議会設置のための議案が上程されたのは、前述の通りです。
しかし、東海市議会と東浦町議会は法定合併協議会を設置する議案を可決したものの、大府市議会で否決されてしまいました。最後に採決するはずだった知多市議会は、合併はなくなったとして議案を取り下げてしまいました。
結局、大府市は東海市に主導権を渡すことになるよりも、単独の道を選んだのでしょう。合併破談後に行われた最後の任意合併協議会では、大府市長はもともと単独で10万都市を目指していたと受け取れる発言をしています。
知多北部3市1町の合併協議は、比較的税収が豊かな地域で、特例債などの恩典目当てではなく、行政の効率化と政策形成能力のレベルアップを指向した、全国でも珍しい試みでした。その中で、私は、合併ならば何でもよいのではなく、究極の行政改革でなければならないとして、合併の内容にこだわる姿勢を一貫して貫いてきたつもりです。
東浦町行政改革集中改革プラン(案)に対するパブリックコメントを提出しました
町の行政改革集中改革プランを策定するにあたり、これに対する住民の意見を聴取するために、東浦町では初めて「パブリックコメント制度」が始まりました。パブリックコメント制度とは、行政機関が政策の立案等を行おうとする際にその案を公表し、それに対する意見を住民や通勤、通学者から募り、提出された意見を考慮して最終的な意思決定を行うものです。
私はかねてから、行政への住民参加を進める立場でパブリックコメントの採用を訴えてきましたが、東浦町はあまり積極的ではありませんでした。今回は、総務省が市町村に行政改革集中改革プランを作らせるにあたり、パブリックコメント等による住民意見を聞き取る手続きをするよう指導していたため、町も重い腰を上げたようです。今後は、基本計画や新たな制度の策定時、公共施設の計画時にパブリックコメントを活用して、住民の意見を積極的に取り入れてもらいたいものです。
せっかく新設された制度ですので、さっそく使ってみようと、集中改革プランの中で曖昧な点や不十分な点を指摘しました。他にも2人の方がパブリックコメントを提出しています。出された意見に対する検討結果は町のホームページに掲載されていますが、行政改革に対する町の姿勢はまだまだ甘いと思います。
最近、町運行バス「う・ら・ら」については何の提言もしていません。しかし、う・ら・らの動向に関しては継続的に見守っていくつもりです。
これまでの乗車数の推移を調べました。今年3月の乗車数は1号線と2号線を合わせて19,592人(1日あたり632人)で過去最高。平成12年10月の運行当初に1日あたり167人だったものが、その後の2号線開設や増便などにより利用者を延ばしてきました。このところ頭打ちの感がありましたが、まだ漸増傾向にあるようです。とくに1号線では、毎年3月になると冬眠から覚めるようにお客さんが増えています。
各停留所ごとの乗車数を調べると、イオンSCの効果が大きく、この傾向は当初と変わっていません。
5月28日(日)ごみゼロ運動終了後、10時から厄松池のゴミ拾いをしたいと思っています。余裕があれば切池もやってしまいたいところです。10:00に厄松池集合にしたいと思います。飛び入り大歓迎ですので、皆さんのご参加を心よりお待ち致しております。
今年は、このあと夏に草刈と掃除をして、秋に小学生のボランティアを募って池の冬支度ができればと考えています。
これはあくまでも私個人の目から見た議会活動報告です。私の考えをできるだけ率直に述べたつもりです。意見・考え方を異にする方も居られるのは当然のことと思います。ご意見、ご批判、ご要望、アドバイス等何なりとお気軽にお寄せください。人間一人で考えることには、所詮限りがあります。皆さんとの対話を通じて得られたことを政策に反映していきたいと思っています。
6月定例議会本会議の開催予定は6月7(水),8(木),16(金)の3回で、いずれも朝9時30分からです。7・8は一般質問、8の後半は議案の説明・質疑、16は討論・採決です。
平成18年4月25日
神谷明彦
E-mail kamiya-a@mbk.nifty.com
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