平成16年12月定例議会報告  (第23号)

 

明けましておめでとうございます。本年も御指導の程よろしくお願い申し上げます。

12月定例議会が終了しましたので議会報告を致します。本会議は12月3(金),6(月),14(火)と3回開かれました。このうち、3・6は一般質問、6の後半は議案の説明・質疑、14は討論・採決でした。

 

 

一般質問

 

 

@町運行バス「う・ら・ら」の今後を考える

 

<増発の効果は>

う・ら・らが平成16年6月のダイヤ改正で1日24本から39本に増便されました。1便当たりの乗車人数は当然減りましたが、1日当たりでは増えました。さて増発の効果は?

1日の利用者は403人から532人と、約32%増えました。これは、小学校、駅、病院、商業施設の利用が伸びたためと見ています。

 

<1時間ヘッドの運行が理想>

従来2時間ヘッドの定時ダイヤで運行されていたのが、ダイヤ改正後は変則的なダイヤになってしまいました。やはり、出来るだけ運転間隔は規則的でわかりやすい1時間ヘッド(毎時定刻発)を目標にすべきではないかと思います。今の路線で、バスの車両を3台使用すると、1時間ヘッドがギリギリ可能になります。どこの停留所からも1時間毎にバスに乗れればセールスポイントになると思います。

しかし、行政としては、小学校の下校時間帯や緒川・東浦両駅でのJRとの接続を優先したいこと、渋滞等に備え時間調整に余裕を持たせたいことを理由に現在の運行ダイヤを続けたいとしています。

 

<新空港行き直通バスとの接続は>

平成17年2月17日の中部新国際空港開港にあわせて、名鉄と知多バスが知立・刈谷方面から緒川駅・知多半島道路を経由する新空港行きのバスを1日31便運行すると発表しました。これと、う・ら・らとの接続はどうするのでしょうか。

行政としてはダイヤが確定してからの課題との答弁でした。これもおそらく1時間ヘッドが基本になるでしょうから、う・ら・らも1時間ヘッドで運行するのが理想だと思います。

 

<知多バスの既存路線も含めた交通体系を>

現在、町内には知多バスの路線もありますが、一体の交通体系としては機能していません。これら運営主体の異なる交通機関との連携が必要だと思います。

知多バスは、半田−刈谷間の路線で1日26本を運行しており、一部う・ら・らとも路線が重複しています。知多バスを町内100円均一にして、う・ら・らのシステムの組み込んでしまってはどうでしょうか? 知多バスは主に半田市内と刈谷市内で乗客を獲得しており、東浦町内ではほとんど乗客がいないのが現状です。生路・石浜地区で知多バス路線にう・ら・らを走らせて欲しいという要望は依然として根強くあります。ニーズがあるのなら、100円均一にすれば、う・ら・ら並みに乗客が増えるのではないかと思われます。知多バス路線で今より収入が増えれば、知多バスや地域住民はもちろん、赤字補填している国・県にもメリットのある一石三鳥のアイディアです。

行政としては、具体的に検討したことはないが、少し踏み込んで検討してみたいとのことでした。

 

<隣接市町のコミュニティーバスとの広域連携は>

生活圏が広域化していると言われています。東浦町に隣接する各自治体も、自主運行バスを走らせています。市町合併をするしないに関わらず、これらのバスシステムの統合・連携を考えてはどうでしょうか?

答弁では、運賃や目的もそれぞれの自治体で異なるので、知多北部合併協議会の専門部会で実情を勘案し協議中とのことでした。

 



<屋根付きバス停や記念イベントは>

私の意見として、「自治体運行のバス路線は、路線延長の要望が出たりして、路線が冗長になりがち。あくまでもバスは大量輸送手段であって、少数の人のために走らせるものではない。住民の福祉のためには何でもかんでもバスで対応すると言う考え方ではバスシステムの劣化を招く。三好町では、フィーダー(枝葉の)路線には乗り合いタクシーを使ったりしている。」「道端で雨風に当りながらバスを待つのはつらいこと。屋根やベンチの設置など、バス停の環境整備を考えては。」「う・ら・らは年間20万人が利用する町内最大級の“公共施設”だ。あと約5ヶ月で、利用者が延べ40万人に到達する。記念イベントを企画して、認知度を一層アップしては。」などと付け加えておきました。

 

 

A痴呆(新呼称が「認知症」と改められます)の早期発見と予防について

 

東浦町の住民健康診断の問診表の中には痴呆についての具体的な項目はありません。痴呆についての問診をする等、早期発見の取り組みをすべきではないでしょうか。群馬県の市町村では、定期健診で簡単なもの忘れチェックをしています。その結果に応じて2次検診(保健師による問診)、3次検診(専門医の診断)と進んでいきます。

また、音読、暗算のドリル等を使った予防の取り組みはどうなっているのでしょうか。音読・暗算を挙げたのは、自分だけでも簡単にできるからです。最近、東北大学の川島隆太教授の研究により、音読や暗算をすると脳が活発に活動することがわかってきました。書店の店頭にも暗算や音読のドリルがたくさん並んでいます。品川区では高齢者の参加を募って効果を検証中です。

町長は、「国立長寿医療センター(旧中部病院)には“もの忘れ外来”があり、これらとの連携を進める。」「最近話題の音読や暗算には非常に興味を持っている。各地区の老人クラブでも紹介した。生活の中で習慣付けできるよう啓発したい。」と答弁しました。

 

 

 

議案審議

 

 

[条例・その他]

@人権擁護委員の推薦(安藤慧氏の再任)

A手数料条例の一部改正(電子申請に備え、徴収の時期を申請時から交付時に変更)

B乳幼児医療費支給条例の一部改正(通院助成の対象年齢を6歳まで引き上げ)

C廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正(資源ごみの所有権を町に帰属)

D都市公園条例の一部改正(公園のホームレスによる占拠対策)

E平成16年度一般会計補正予算

F平成16年度老人保健特別会計補正予算

G平成16年度下水道事業特別会計補正予算(人件費減など)

H平成16年度緒川駅東土地区画整理事業特別会計補正予算(人件費減)

I平成16年度水道事業会計補正予算(人件費減など)

J緒川調整池建設工事委託協定の締結(緒川駅東区画整理地内に7.5億円で建設,日本下水道事業団)

K町道路線の廃止と認定(森岡柳ヶ坪地内)

L町道路線の認定(緒川濁池西区画整理地内)

 

Aの手数料条例改正の趣旨とは直接関係ありませんが、「申請(申し請う)」、「徴収(召し取り立てる)」などの言葉使いは官尊民卑の表れだと思います。サービスを受けて対価を支払うのだからお互いが対等の関係のはずです。役所のカウンターでは、ご苦労様と言われるのではなく、お互いにありがとうございますというのが本来の姿ではないでしょうか。

Bでは、入院6歳、通院3歳までだったものが、4月から入院・通院に関わらず6歳まで無料になります。これにより年間およそ8000万円の支出が増える見込みです。

金属相場の高騰によりスチール缶やアルミ缶などの資源ごみが、ゴミ収集所から公然と持ち去られる事例が頻発していましたが、Cの条例改正により窃盗罪で告発できるようになります。

Eの補正予算の中には、消防の東浦支所に同報無線遠隔制御器を設置する工事費269万円が含まれています。これまで同報無線の活用方法が課題になっていましたが、4月から火災に関する最新情報を個別受信機に流すことができるようになります。

Kは森岡中町の交差点改良に伴うもので、“代吉”前の町道が拡幅されて県道になり、県道だったところが南行きの左折用一方通行の町道になります。これが完成するまでは、“住友重機”前の渋滞が続きそうです。

上記全ての議案は全会一致で可決されました。

 

 

[請願・意見書]

@郵政事業の改革に関する意見書

A郵政事業の堅持に関する意見書

B介護保険制度の充実を求める意見書

CBSE全頭検査の継続・維持に関する意見書

D平成17年度地方交付税所要総額の確保に関する意見書

 

@は、共産党案Aの対案として提案されたもので、Aの郵政事業改革に反対する部分(郵政3事業の解体反対や全国均質サービス確保の要望)を削除し、郵政事業の改革に当たっては慎重に検討するよう求める内容になっています。@は共産党以外の賛成多数で可決、ABCは共産党のみの賛成少数で否決、Dは全会一致で可決されました。

 

 

都市計画マスタープランと緑の基本計画の改定

 

都市計画マスタープランとは、都市計画法に基づき、都市計画に関する基本的な方針を定めるもので、市町村がその創意工夫のもとに、住民意見を反映して定めるものとされています。緑の基本計画とは、都市緑地保全法に基づき、目指すべき将来の緑のあり方と、それを実現していくための方法などについて基本的な考え方をまとめたもので、緑のまちづくりを進めていくための指針となるものです。

今回初めて、地域住民の意見を聞くということで、各地区の公民館で住民代表(老人会、婦人会、商工会、PTAなど各種団体の長)への説明とヒアリングがありました。議会でも、意見を述べる場があり、私は、「住民の意見を集めるのに、住民公募や、町のホームページを使えないか」「コンサルタントに説明させるのではなくて、町の職員が自分たちの言葉で説明すべきでないか」「現状の課題に対する解決策が不明確」「里山の保全が中途半端」などの注文をつけました。

行政は、寄せられた意見を踏まえ、3月下旬に改訂版を完成させたいとしています。

 

 

指定管理者制度研究会に参加して

 

今、私は、㈳地域問題研究所というところで、指定管理者制度研究会に参加しています。月に2〜3回、夜に集まりワークショップ形式で、指定管理者制度に基づく施設管理のモデル案を創り上げようとしています。指定管理者制度とは、従来、地方自治体やその外郭団体などが管理していた公共施設の管理を、自治体の定めるルールの下で、民間企業やNPOなどに委ねることを可能にするものです。公共施設を民間事業者が管理することによってサービス向上やコストダウンが期待されています。

実務者向けの研究会でしたので、議員は遠慮しておこうと思ったのですが、役場の方から職員は誰も行かないので是非行ってくださいと言われて参加することにしました。若手の自治体職員やNPOや民間企業から20人ほどが集まり熱のこもった議論をしています。

 

 

厄松池の掃除と未来像

 

11月28日に厄松池の掃除をしました。生路小学校の5・6年生40人ほどと、小学校の先生、そしてたくさんの保護者の皆さんが集まってくれました。池の周囲の草刈、ゴミ拾い、水面に浮かぶカンやビン類もきれいに片付けて、岸辺にスイセンなどを植えました。小学生が掃除したとわかればさすがにポイ捨てをする不届き者もいなくなる??と思い、現地に作業風景の写真入りポスターを貼りました。

10月の生路小学校での授業の後で、5年生に池の未来像を描くよう宿題を出しました。全員の子供たちが思い思いの絵や説明文を書いてきてくれました。中には、木の橋を架けたり、ロープにつかまる遊具を池の上に渡したり、ユニークなアイディアがありました。多くの子が池の保全を望んでおり、宿題を区長さんや役場の人にも見てもらい今後の水辺整備の参考にしてもらおうと思っています。

 

 

    厄松池の掃除は、地域のボランティア活動として行っています。折に触れ、議会報告の中で紹介していますが、政治信条とは関係なくたくさんの有志の皆さんに参加いただいています。

 

 

これはあくまでも私個人の考えを率直に述べたものです。意見・考え方を異にする方も居られるのは当然のことと思います。ご意見、ご批判、ご要望、アドバイス等何なりとお気軽にお寄せください。

3月定例議会本会議の開催予定は3月3(木),4(金),7(月),9(水),22(火)の5回で、いずれも朝9時30分からです。3・4は一般質問、4〜9は議案の説明・質疑、特に3月定例議会では17年度の予算を審議します。22は討論・採決です。あなたの税金の使い道を決定します。

 

平成17年1月22日

 

神谷明彦

E-mail kamiya-a@mbk.nifty.com

 

 

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