平成16年3月定例議会報告 (第20号)
私事ですが、最近、家業で父が引退したいと言い出すし、PTAの会長の役もまわってくるし、益々忙しくなってきました。視力には自信があったのですが、夜遅くまでパソコンに向かっているせいか、物が見えにくくなってきました。いずれも、無理をしないように、なおかつ手を抜かないように取り組んでいきたいと思います。
3月定例議会が終了しましたので議会報告を致します。本会議は3月4(木),5(金),8(月),10(水),22(月)と5回開かれました。このうち、4・5は主に一般質問、5〜10は議案の説明・質疑、22は討論・採決でした。
今回、私は一般質問をしませんでした。従って、議案審議その他について報告します。
一般質問
今回は、休ませていただきました。
[条例案・その他]
@助役の選任(戸田宗明氏を再任)
A固定資産評価審査委員の選任(戸田實氏を再任)
B部制条例の一部改正(地方自治法改正に伴う語句の訂正)
C行政手続条例の一部改正(地方公務員法改正に伴う語句の訂正)
D公文書公開条例の一部改正(地方独立行政法人法施行に伴う語句の変更)
E公益法人等への職員の派遣等に関する条例の一部改正(地方公営企業労働関係法改正に伴う語句の訂正)
F職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正(地方公営企業労働関係法改正に伴う語句の訂正)
G教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部改正(教育公務員特例法の改正に伴う語句の訂正)
H職員の退職手当に関する条例の一部改正(地方独立行政法人法施行に伴う語句の変更)
I議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部改正(地方公務員災害補償法改正に伴う語句の訂正)
J遺児手当支給条例の一部改正(受給資格に所得制限を設定)
K環境美化事業基金条例の廃止(基金150万円を取り崩し、啓発看板を設置)
L道路占用料条例の一部改正(法律の改正に伴う語句の訂正)
M企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部改正(法律の改正に伴う語句の変更)
N中子新田特定土地区画整理事業に伴う字の区域の設定(「石浜字なかね」を新設)
O町道路線の変更および認定(森岡栄南地内、緒川昭和地内、生路森腰地内)
P町道路線の認定(生路森腰地内、生路門田地内、生路前田地内、藤江上廻間地内)
Jは、一人毎月3,500円の遺児手当ての支給に対し、県に準じた所得制限を設けるもので、対象者は496人から350人に減る見込みです。
Kは、環境美化事業基金150万円を取り崩して、16年度予算で環境美化を訴える啓発看板を設置しようとするものですが、設置場所は未定です。寄付があったり基金を取り崩してお金が出来ると、看板とかモニュメントのようなシンボル的なものに使ってしまいがちです。本当に看板が必要なのでしょうか?効果は期待できるのでしょうか?基金を取り崩す必要性を訊ねました。
Pの森腰地内は、以前から要望の出ていた伊久智神社を通り抜ける道路の認定。他は、本来個人管理になっているミニ開発分譲宅地内の行止り共有道路(位置指定道路)を公道として維持管理するためのものです。
Jは、共産党の反対があったものの賛成多数で可決。他の議案は全会一致で可決されました。
[予算案]
@平成15年度補正予算(支出の確定による減額など)
A平成16年度一般会計予算
B平成16年度国民健康保険事業特別会計予算
C平成16年度土地取得特別会計予算
D平成16年度老人保健特別会計予算
E平成16年度下水道事業特別会計予算
F平成16年度緒川駅東土地区画整理事業特別会計予算
G平成16年度水道事業会計予算
平成16年度(平成16年4月〜平成17年3月)予算を決定しました。一般会計は126億円、5つの特別会計(国民健康保険事業、土地取得、老人保健、下水道事業、緒川駅東土地区画整理事業)は合わせて88億円、水道事業会計は原則独立採算の企業会計になっていて収入9億6,800万円と支出12億7,600万円を見込んでいます。
AEGは、共産党の反対があったものの賛成多数で可決。その他の予算案は全会一致で可決されました。
<16年度一般会計予算の概要>
一般会計は昨年度(118億円)に比べると、8億円も増えているように見えますが、借金20億3千万円のうち9億4千万円は借り換えなので、それを除けば実質117億円の予算となります。
新規事業としては、地域住民の自主的な労務提供による環境整備事業に100万円までの助成をする「地域ふれあいの場整備事業」や、万博関連のPR・交流事業(約2千万円)、治安の回復を目指す「住民が安心して住めるまちづくりを進める会」(約3千万円)などがあります。
これまで例年ほぼ定額だった各種団体への補助金が、概ね5〜10%カットになります。
雨水・地震対策では、ポンプ場整備や耐震工事に計9億7千万円を見込んでいます。
防災行政無線は全戸設置を目標に掲げています。全戸設置するには4億円以上のお金が必要になります。放送の内容や、地域の自主防災会の充実が先決ではないでしょうか? 実際には、いきなり全戸に設置ではなく、数年次にわたり希望者宅に設置していくことになるそうです。
<緒川駅東土地区画整理事業の現状>
緒川駅東土地区画整理事業は、平成10年に特別会計がつくられてから7年目を迎えました。10年度決算から16年度予算までを通算すると、主な収入は、国庫補助11億円、一般会計からの繰入13億円、保留地処分9億5千万円、借金37億円です。支出は、区画整理事業費に59億円、借金利子が2億6千万円。借金返済に8億6千万円です。
借金残が28億円ありますが、保留地を(地権者の土地を事業費に見合う分だけ)売却して借金を返済していくことになります。しかし、年々地価が下落傾向にあるため、当初の予定に比べ保留地の売却がはかどっていません。スピーディーな売却が求められます。
行政は、当初計画に対し実績がどうなっているかを示し、今後の資金計画を明らかにする必要があります。
[意見書案]
@青年の雇用問題の解決を求める意見書
共産党のみの賛成少数で否決されました。
6月から町運行バス「う・ら・ら」が増発されることになりました。一部の区間・時間帯で乗り切れないほど混雑することがあり、増便の要望も出ていました。増便の方法としては、運行委託業者からマイクロバスを1台借り切り、従来の路線を補強することが考えられています。
私は、これを機会にすべての便を1時間ヘッドで運行、緒川駅もしくは役場で乗り継ぎ可能とし、最大1時間待てば、沿線のどこへも行けるようなダイヤを組むことが出来ると提言しています。しかし、時間にゆとりの無いことや、武豊線との接続や学校の登下校時刻まで考えると、すべてを満足させるダイヤを設定し、その通り運行するのは至難の業です。結局、行政は従来のダイヤには手を付けず、ダイヤの隙間に増便を挿入する案を固めています。
生路・石浜地区の国道沿いにう・ら・らを走らせて欲しいとの要望も以前からあります。しかし、この区間は知多バスが走っており、競合を避けるためう・ら・らの路線はありません。知多バスは運賃が高いせいか?旧態依然とした路線バスのイメージのせいか?利用者がほとんどありません。私は、いっそのこと、東浦町内の知多バス路線を100円均一区間にして、う・ら・らのシステムに組み込んでしまってはどうかと思っています。そうすれば、今より遥かに利用者は増えるだろうし、収入が増えれば、知多バスは勿論、補助金を出している半田市や刈谷市にもメリットがあるのではないかと思います。
2月4〜5日に私を含めて無所属議員4人が合同で視察に行きました。
1日目は、虎ノ門にある日本土地区画整理協会。区画整理の現状と問題点をテーマに、地価の下落や人口増の鈍化で、着手件数が減っている中、いかに破綻を回避するか、いかに魅力あるまちをつくるか、最新情報を聞かせてもらいました。
2日目は、神奈川県厚木市の防災対策と大和市のICカード事業を視察しました。厚木市は、東海地震への防災対策を市政の最重要課題に置き、市民が避難生活を送れるように設計された都市公園を建設したり、市民による地域防災組織の運営に力を注いでいます。
大和市は、ITを活用した情報公開と住民参加を精力的に推し進めています。市役所のホームページは各部署の職員の手作り。随所に工夫が凝らされていて250万件/月ものアクセスがあるそうです。すべての小中学校と自治会も自作のホームページを持っており、子供たちや地域住民によって運営されています。ICカードは、電子地域通貨として商店街で(ポイント割引などの)サービスを受けたり、リサイクルやリユース品と交換したり、ボランティアのお礼にプレゼントしたり出来るだけでなく、電子コミュニティーへの登録、学習施設・スポーツ施設やイベントへの予約など、市民と行政の「知・財・役」を循環させる媒体の役目を担います。さらに、住民票や印鑑証明書の発行、市立病院で国民健康保険証の代わりに使えるなどの住民サービスを受けることも出来ます。
将来的には、住基カードと統合して個人認証をしたり、円と兌換性のある通貨として発展させる構想もあるようです。究極の地方分権として、国の経済政策や通貨発行権を脅かす可能性を秘めているとの大胆な発想には圧倒されました。
次回は、英語教育特区等々、何かと話題の群馬県太田市を訪ねたいと思っていますが、人気の先進自治体には視察希望が殺到していてスケジュール調整が難しいようです。
4月16日に於大まつりが開かれました。今年は商工会の皆さんが手作りの鎧兜を着た武者行列を企画し、テレビでも話題になりました。材料はボール紙なのですが、見応えは十分です。レンタル料もかかりません。行政丸抱えのおまつりから参加者による手作りのおまつりへ脱皮しつつあります。
去る3月20日には商工会、文化協会、体育協会、小学校の先生などからなる有志が小学生のかるた取り大会を開き、大好評でした。私もスタッフとしてお手伝いをさせていただきました。使用したのは、郷土の歴史や地理を題材にとって有志と小学生が合作した「東浦かるた」です。ここにも住民の創意によるまちおこしが芽吹いています。
新緑の季節になりました。三河方面から東浦を眺めると青々して緑がまぶしく感じられます。先日、ある保守系の議員さんと雑談していたら、「刈谷や高浜の人達は東浦の丘陵地に緑が残っているのをうらやましがっている。神谷さんの言っている通り里山は残していかなきゃ。」と聞いて思わず嬉しくなりました。町長も以前、議会の答弁で丘陵地に工場誘致するのに、「里山を切り開くよりも利用されていない農地を使った方が良い。」と発言しています。少しずつではありますが、里山の価値を見直し、保全していくコンセンサスが醸成されつつあるように感じます。
4月25日に生路小学校の行事でタケノコ狩りが行われました。参加者のほとんどが初体験だったようです。身近な里山の幸を楽しむ良い機会になったのではと思います。
これはあくまでも私個人の目から見た議会活動報告です。私の考えをできるだけ率直に述べたつもりです。意見・考え方を異にする方も居られるのは当然のことと思います。ご意見、ご批判、ご要望、アドバイス等何なりとお気軽にお寄せください。人間一人で考えることには、所詮限りがあります。皆さんとの対話を通じて得られたことを政策に反映していきたいと思っています。
6月定例議会本会議の開催予定は6月4(金),7(月),16(水)の3回で、いずれも朝9時30分からです。4・7は一般質問、7の後半は議案の説明・質疑、16は討論・採決です。
平成16年4月26日
神谷明彦
E-mail kamiya-a@mbk.nifty.com