平成14年12月定例議会報告  (第15号)

 

 明けましておめでとうございます。本年も御指導の程よろしくお願い申し上げます。

 12月定例議会が終了しましたので議会報告を致します。本会議は12月6(金),9(月),18(水)と3回開かれました。このうち、6・9は主に一般質問、9の後半は議案の説明・質疑、18は討論・採決でした。

 今回は、迷うような争点はなく、厄介な意見書もありませんでした。

 一般質問では、これまで主張してきたことの再確認、進捗状況の把握がねらいでした。しかし、準備不足もあって、突っ込みに甘さが目立ちました。他の議員さんからも、今回は迫力不足でガッカリしたとの感想を頂いてしまいました。

 

 

一般質問

 

@行政評価の進捗状況

 

行政の行う事業の費用対効果をキチンと把握すること、それに基づいて事業の取捨選択をすること、そして最小のコストで最大の効果を上げるために絶えず改善していくことを、私は議員になってから繰り返し唱えてきました。町はこれを受け、平成14年度から行政評価システムの導入に着手しました。この進捗状況を尋ねました。

答弁では、「大手の監査法人をコンサルタントとして@住民の視点に立った目的・成果志向型業務への転換A職員の目的意識と政策形成能力の向上B住民との情報共有化と説明責任の向上をめざす。各課から14人の推進役を選んで、これから具体的な検討をする。」とのこと。

課題として、人事評価への展開(事業の成果を担当者の人事評価に反映させるのは当然)、行政評価を予算査定に大胆に反映させること(毎年、代わり映えのしないような予算はダメ)、結果や過程の公表の仕方、外部の目をどうやって入れるかなどを指摘しました。

また、受益と負担の関係の明確化も重要です。タダなら何でも欲しいのが人情です。宮城県で実施している事業コストの表示をミックスするのも方法です。自治体独自の住民向け起債をして、資金提供と受益の関係構築に努めている自治体もあります。日本では行われていませんが、納税者が税金の使い道を指定できる“使途指定納税”が可能になれば面白いと思います。民主主義の新しい形になるかもしれません。

 

 

A環境行政について

 1)外来種(ブラックバス等)の規制は?

 2)里山の保全は?

 3)ビオトープの整備は?

 4)CO2削減に向けた努力は?

 

今まで主張してきたことをまとめて、網羅的に環境行政について質問しようと思ったところが、範囲が広すぎてピンボケになってしまい、どれも中途半端でした。

1)については、以前質問したときは全く無関心でしたが、最近、琵琶湖などの全国の水系で問題になっていることもあり、「看板を立てて注意を促す。」との答弁。一定の前進はあったものの、看板ではねえ・・・。住民の意識の問題であるとしても、ルアーフィッシングを問題にするのみではなく、ペットのポイ捨て規制なども含めた包括的な対策(条例)が欲しいところです。

2)については、里山保全が重要との認識は十分持っているが、現状で私有地を行政がコントロールすることは事実上不可能、住民の自発的活動に期待するとの答弁。しかし、建築確認だけが能じゃない。都市計画の視点が必要です。また、住民の自発的活動を求めるなら、県がやっているような里山の手入れのための講習会も企画すべきです。

3)は、最近学校でビオトープ(その土地に固有の生物が生息する場)を「整備」するのが流行になっているのを捉え、観察池との混同を戒めると共に、学校以外への展開を促すための質問です。具体的には、放置されている市街地のため池をビオトープ的手法を用いて再生してはと提言しました。

4)は、剪定くずなどのバイオマスの活用を訴えたかったのですが、ケナフ栽培などの環境活動の誤解について指摘、ついで、菜種から造るバイオディーゼル燃料の話に時間を費やし、気がついたら脱線していました。

 

 

B風疹予防対策は?

 

妊娠初期に風疹に感染すると非常に高い確率で先天異常が発生します。昭和52年に法改正、中学生で義務化、平成6年に幼児に対して勧奨接種となりました。経過措置として、この間接種を受けていない人は、今年9月まで無料で接種を受けられます。

幸い、東浦ではほとんどの人に接種が徹底されていて、副作用などの理由で未接種の25人についても既にご本人が承知とのこと。あとは、他からの転入者や義務化以前の40才前後の人たちが心配ですが、広報などでPRを検討するそうです。

 

 

議案審議

 

下記の議案が審議されました。GJは共産党を除く賛成多数で可決。その他の議案は全会一致で可決されました。

 

[条例]

@職員の給与に関する条例の一部改正(国家公務員の給与改定に準じた給与減額、期末手当の減額・支給月の変更、扶養手当の改定、特例一時金の廃止)

A職員の育児休業等に関する条例の一部改正(@の改正に伴う語句の変更)

B議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正(期末手当の減額・支給月の変更)

C特別職の職員で常勤のものの給与及び旅費に関する条例の一部改正(期末手当の減額、支給月の変更)

D教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部改正(期末手当の減額、支給月の変更)

E企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部改正(期末手当の減額、支給月の変更)

F児童遊園及びちびっ子広場に関する条例の一部改正(門田中ちびっ子広場の新設)

G国民健康保険税条例の一部改正(地方税法の一部改正に伴い、各種特別控除の加除)

H企業の立地の促進に関する条例の一部改正(町内企業の森岡工業団地への進出を促すために企業立地交付金の交付要件を緩和)

I町営住宅条例の一部改正(町営半ノ木住宅の建替、樋住宅の廃止)

J都市公園条例の一部改正(於大公園バーベキュー広場の設置、マレットゴルフの有料化)

K水道事業給水条例の一部改正(マンション等の給水槽の管理責任を強化)

 

[補正予算]

L平成14年度一般会計補正予算(給料・期末手当減額、藤江児童館増築など)

M平成14年度土地取得特別会計補正予算(森岡中町地内保有地を一般会計へ売払い、旧藤江保育園隣接地購入)

N平成14年度下水道事業特別会計補正予算

O平成14年度緒川駅東土地区画整理事業特別会計補正予算

P平成14年度水道事業会計補正予算(人件費減額)

 

[認定・その他]

Q町道路線の廃止・変更(緒川駅東区画整理地内)

R町道路線の認定(森岡半ノ木、緒川駅東区画整理、生路門田地内)

S人権擁護委員の推薦(平林ちひろ氏の後任に水野和子氏)

 

今回の条例改正で、一般職職員の給料が2%減額されます。一般職の期末勤勉手当が4.7から4.65ヵ月分に、特別職の期末手当が3.55から3.5ヵ月分に、支給は6月と12月の年2回となります。また、特例一時金(3,756円)が廃止、配偶者手当を2000円減額する一方3人目以降の扶養親族に2000円が増額されます。年間予算への影響額は、三役で14万円、議員75万円、一般職5196万円、合計5285万円の減額となります。

Lでは、藤江児童館を84u増築するのに、なんと1923万円。鉄骨造で坪単価76万円です。

条例Gの条文は改正点が多かったため、非常に煩雑でわかりにくいものになりました。条例を改正する場合、「語句Aを語句Bに、語句Cを語句Dに改める。」のように、改正する語句を1語ずつ列記しているからです。改正点が多いときには、改正する文章を一括で差し替えた方がはるかに簡単です。ミスや煩雑な手間を省くための柔軟な対応を要望しておきました。日頃の業務改善を疎かにしてはなりません。

 

 

町運行バスの新路線

 

 昨年10月に、平池台からイオンショッピングセンターを経由して中部病院まで結ぶ町運行バス「う・ら・ら2号線」がスタートしました。片道50〜60分、2時間間隔で毎日6往復(平日・休日ダイヤ有)、運賃は100円均一です。10月の利用実績は、1日当り148人、1便当り12人です。乗車人数の多い停留所は、イオン、今まで公共交通のなかった平池台、石浜団地、中部病院・げんきの郷、東浦駅などです。好調な滑り出しと言えますが、今後とも油断せず、継続的に改善していくことが重要です。

 

 

 

厄松池のバイパス水路

 

 昨年11月17日にボランティアで厄松池と切池の草刈とゴミ拾いをしました。切池のウォーターレタスの除去作業はちょっと試してみたものの、それぞれの個体が独立していて繋がっていないため、うまく引き寄せられません。ホテイアオイとは違う方法を考える必要がありそうです。

 昨年2月に完成したバイパス水路の効果はあったのでしょうか? 厄松池の水質検査の結果を検証してみました。池の出口の水質を前年と比較すると、CODはあまり改善が見られないものの、リン酸イオンはかなり減りました。前年よりも水質が若干キレイ?になっているのかも知れません。

ところで、せっかく作ったバイパス水路のパイプが詰まっていたり外れていたりが目立ちました。ちゃんと機能するようにメンテしなければ、何百万円もかけた意味がありません。

夏にホテイアオイが増えなかった原因はナゾです。

 


 

 

余談・・・東浦から富士山が見えるか?

 

 お正月になると空気が澄んで、雪をかぶった遠くの山々がはっきりと見えます。1月2日は最高に良い天気で、普段なかなか見ることのできない南アルプス(赤石山脈)の山々もはっきりと見ることが出来ました。「緒川あたりから富士山が見える」と以前から噂には聞いていましたが、はたして、本当に東浦から富士山は見えるのでしょうか? 市販の3次元地図ソフトを使ってシミュレーションしてみました。

 その結果、マンションの屋上に上がった程度では、三河の1000m弱の山地とその奥の2000m弱の南アルプス南端に遮られるため富士山は見えなさそうです。地球は丸いので富士山まで166km行くと水平面からなんと2000m近く下がってしまうわけです。


 そんな矢先、1月12日の中日新聞朝刊に「東浦からの富士山」の写真が載ってしまいました。さっそく撮影された方にお会いして、周辺を同時に撮った写真と照合したところ、富士山ではなく南アルプス北部の間ノ岳あたりであることが判明しました。

 三河の山地も南アルプスも南へ行くほど低くなる傾向があるので、知多半島の南部に行けば富士山を見るには有利になるはずです。藤江小学校から富士山が見えたという噂もあるそうですが、藤江からの可能性は夢として残しておきます。

                                  インターリミテッドロジック社製『パソコンで楽しむ3D地図 日本編』を使用

 

 

 

 これはあくまでも私個人の目から見た議会活動報告です。意見・考え方を異にする方も居られるのは当然のことと思います。ご意見、ご批判、ご要望、アドバイス等何なりとお気軽にお寄せください。

 3月定例議会本会議の開催予定は3月5(水),6(木),10(月),11(火),19(水)の5回で、いずれも朝9時30分からです。5・6は一般質問、6〜11は議案の説明・質疑、特に3月定例議会では15年度の予算を審議します。19は討論・採決です。あなたの税金の使い道を決定します。

 

平成15年1月20日

 

神谷明彦

E-mail kamiya-a@mbk.nifty.com

 

 

議会報告の目次に戻る