平成14年3月定例議会報告 (第12号)
3月定例議会が終了しましたので議会報告を致します。3月定例議会では、平成14年度(平成14年4月〜平成15年3月)のお金の使い道を決めました。予算は、一般会計と5つの特別会計(国民健康保険事業、土地取得、老人保健、下水道事業、緒川駅東土地区画整理事業)と水道事業会計に分かれていて、予算書は予算説明書と合わせると400ページ近くに及びます。これらの書類の中に、一般会計118億円、特別会計85億円、合計203億円もの使途が科目毎に記載されています。水道事業は原則独立採算の企業会計になっていて貸借対照表が出てきます。
本会議は3月6(水),7(木),9(土),11(月),12(火),22(金)と6回開かれました。このうち、6〜9は主に一般質問、11〜12は議案の説明質疑、22は討論・採決でした。
今回、私は一般質問をしませんでした。従って、議案審議その他について報告します。
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一般質問
今回は、休ませていただきました。
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[条例案・その他]
@職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正(国の法律改正に伴う規定の変更)
A職員の育児休業等に関する条例の一部改正(国の法律改正に伴う規定の変更)
B職員等の旅費に関する条例の一部改正(日帰り日当の減額・廃止)
C用品調達基金の設置及び管理に関する条例の廃止(基金の廃止)
D中学校の図書購入基金の設置及び管理に関する条例の廃止(基金の廃止)
E公園建設基金の設置及び管理に関する条例の廃止(基金の廃止)
F税条例の一部改正(国の法律改正に伴う語句の変更)
G学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の制定(国の法律改正に伴う条例制定)
H社会福祉法人の助成に関する条例の一部改正(国の法律改正に伴う語句の変更)
I障害者手当支給条例の一部改正(国の法律改正に伴う語句の変更)
J要介護老人介護手当等支給条例の一部改正(国の法律改正に伴う語句の変更)
K町企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部改正(国の法律改正に伴う規定の変更)
L人権擁護委員の推薦(加藤壽芽氏の再任)
M固定資産評価審査委員会委員の選任(久米豊彦氏の再任)
N下水道工事請負契約の変更(石浜中子新田地内,252万円の減額,東浦土建)
O下水道工事請負契約の変更(緒川申新田二区地内,208万円の増額,五洋建設)
P上子新田特定土地区画整理事業に伴う字の区域の設定(岐路・芦間・上子新田の一部を「中央」と改称)
Q於大公園ディキャンプ場工事委託協定の締結(1億6,500万円,都市基盤整備公団)
Eは、於大公園このはな館の正面にモニュメント(2,000万円)を建設するために、公園建設基金(558万円)を取り崩そうというもの。モニュメントは本当に必要なのでしょうか? 基金は残して、今後の公園でのイベント等の企画・運営に活用してはどうでしょうか? しかし、反対するには、基金の取り崩しを盛り込んだ一般会計予算案にも反対する覚悟がいります。
P:上子新田の区画整理で新しく「石浜字中央」という地名が生まれます。「中央」とはちょっと唐突な感じがします。議会内にも疑問の声がありましたが、区画整理の地主さん達がアンケートを取って決めたとあっては、おいそれと反対するわけにもいきません。個人的には、昔ながらの由緒ある地名を大事にしたいと思うのですが・・・。
Q:都市基盤整備公団が一括受注して、地元の建設会社が施工することになると思われます。バーベキュー場(5,300u)にトイレと休憩施設で1億6,500万円だそうです。
これらすべての議案は全会一致で可決しました。
[予算案]
@平成13年度補正予算
A平成14年度一般会計予算
B平成14年度特別会計予算
C平成14年度水道事業会計予算
予算案の中身に少々気に入らない点があっても、個々の収入・支出に対する賛否をとるわけではありません。あくまでも予算案(一般会計、5つの特別会計、水道事業会計それぞれ)に対してイエスかノーかを迫られます。また、予算については町長のみに提案権があり、議員が対案を出すことはできません。採決では、すべての予算案に賛成しました。
グラフ1,グラフ2に一般会計と特別会計の住民(外国人も含め3月1日現在 47,065人)1人当たりの予算の使われ方を示しました。一般会計から約25万円、特別会計から約18万円、合わせて1人当たり年間約43万円の支出になります。議会費には3,355円が支出されて、その内の6〜7割が議員の報酬にあてられます。
[議員提出議案]
@町議会議員の定数を24に定める条例の制定(共産党提案)
A町議会議員の定数を21に定める条例の制定(自民・公明・民主系提案)
B町議会委員会条例の一部改正(定数減に伴い、3常任委員会を各8人から7人へ減員)
地方自治法の改正により人口2万人以上の町村では、議員定数の上限が30から26に変わります。それに伴って、各自治体で議員定数条例を制定することが義務付けられました。東浦町議会の議員定数は現在24なので、適法な状態なのですが、次回改選時に何人にするかが議論になりました。大部分の保守系議員は、「他の自治体も減らす傾向にあるし、住民感情も考えて、(議員に痛みの出ない程度に)少し減らそう」と考えています。一方、共産党の考えは、「少数意見を尊重するためには、議員定数を削減すべきではない」です。
グラフ3は、愛知県内の自治体(人口6万人以下)の人口と議員定数の関係をプロットしたものです。ヨコ並びの体質が強いのがよくわかります。一次直線で近似すると、“y=0.000276x+10.9”(すなわち人口ゼロで10.9人、それから人口が1万人増えるごと2.76人増える)関係が得られます。東浦町もピッタリ直線上に位置し、まさに「標準的」な議員定数であることがわかります。ちなみに県下で一番議員定数の多い(24人)のは、我が東浦町と最近人口が5万を超えた三好町です。一番議員定数が少ない(8人)のは、日本で一番小さな富山村(人口208人)です。
私は、他の自治体を真似するのではなく、東浦として何人必要なのか、議会のあり方も含めて考えるべきだと思います。チェック機能や、地域の代表としてキメ細かく住民のニーズを把握する機能を重視するなら、数は多いほうが良いでしょう。合議体としての機能を重要視するのであれば、24人で議論を深めるのは困難で、半分にしても良いかもしれません。
また、住民は「議員が多すぎるから減らせ」と言っているのも事実です。しかし、なぜ、多くの方々は議員が多すぎると感じているのでしょうか? 皆さんが本当に言いたいのは、「ちゃんと仕事をしろ」「税金のムダ遣いをするな」の2点ではないでしょうか。ならば、我々が本当にすべきことは、ちょっと減らしてお茶を濁すことではなくて、どう議会を改善していくかです。具体的には、休眠状態?の委員会活動をもっと活発化して政策提言できるようにすること、議員の活動を理解してもらう努力をする(住民に対してきちっと報告する)ことなどやるべきことはたくさんあるはずです。
それから、議員定数は報酬と並んで議員の評価の問題です。それを議員がお手盛りで決めて良いわけはありません。住民公募の審議会等で議論してもらうべきです。しかし、「もし、半分に減らせ」などと言われたら困るという意見が大勢を占めました。
議員定数に関して多くの方に意見を伺ったところ、「減らす必要はない」「議会運営に影響の出ない程度に減らす」「思い切って半分に減らして、議会改革につなげる」等々さまざまな意見がありました。それでは、実際何人にするかとなると、なかなか難しいものがあります。ユニークな意見としては、「毎回立候補者が少ないので、“定数=立候補者数+α”と定めては?」「高報酬を得て政策を審議する少数の専門議員と、地域のニーズにキメ細かく対応する低報酬の一般議員に分けて選挙を行っては?」などがありましたが、現在の法律では認められていません。国の法律が地域独自の地方自治の障害になっています。
本会議では、住民の意向を考えれば、現状維持より少し減らす方を取らざるを得ないと判断し、21人に定める案に賛成しました。
[意見書]
@BSE(牛海綿状脳症)問題の早期解決を求める意見書
A安心の医療制度の改革を求め、負担増に反対する意見書
B雇用の危機的状態の突破を求める意見書
@は、農水省の失政を糾弾し、再発防止や酪農家の支援など万全の対策を求めるものです。しかし、最大の被害者は消費者のはずです。政府の責任は言うまでもないことですが、事態を知っていたにもかかわらず何の対応も取らなかった生産者や業界団体の責任も皆無ではありません。それには全く触れずに、「政府が悪くて自分たちには全く落度はない、損害を賠償しろ」と言うのは虫が良過ぎます。結局、当初文案にあった「被害補償を行う」を削除してもらい、賛同しました。
すべての意見書案は全会一致で可決されました。
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陽気のせいか春休みのせいか、う・ら・らの利用者は3月になって急に増え、1日あたり197人の新記録が出ました。1便当たりに直すと16.4人が乗っている計算です。
う・ら・らの5月からの改善点は、以下の3点です。
1) げんきの郷に乗り入
2) 緒川駅東口広場の完成で緒川駅東口に乗り入れ、利用者の少ない緒川旭町は経由せず緒川公民館へ直接向かうようルートを短縮
3) 2時間ヘッドの定時ダイヤを設定、緒川駅でのJRとの接続を改善
知多バスとの接続も確保したいところですが、知多バスのコース変更とダイヤ改正は5月に間に合わないそうです。
議会の総合交通体系調査特別委員会では現行の知多バス半田―刈谷線の利便性を向上させるために、知多バスに対し以下の3つの要望をしました。
1) 国道沿線(藤江〜石浜)のバス停増
2) 毎時刻定時ダイヤの確立(例えば1時間ヘッド)
3) イオン・平成大橋経由で刈谷総合病院へ乗り入れ
バス停を増やすことについては、地元の協力さえあれば知多バスとしても増設したいとのこと。刈谷総合病院乗り入れは、知多バスとしても希望しているが、医師会を気にかけて刈谷市が難色を示しているとのこと。公共交通機関が顧客の利便性を追及するのに、何故、医師会の意向が関係してくるのか理解に苦しみます。県の補助金で食っているせいか、知多バス自体にもやる気が感じられません。
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生路の切池と厄松池にバイパス水路が完成しました。両方で462万円掛かったそうです。
これは、汚水が直接池に流入しないように、水量が少ないときは流入口に取り付けたパイプを通って池の出口へ、雨などが降って水量が増したときにはパイプから溢れて池に入るよう工夫したものです。
但し、夏の渇水期に池が干上がらないか心配です。また、ホテイアオイや魚たちの絶滅を心配する声もあります。今後、注意して見ていきたいと思います。
要望として、行政に以下の3点を頼んでいます。
1) タツ(水抜き栓)を使えるように直す
2) ヘドロを浚渫する
3) 愛知用水を入れられるようにする
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これはあくまでも私個人の目から見た議会活動報告です。意見・考え方を異にする方も居られるのは当然のことと思います。ご意見、ご批判、ご要望、アドバイス等何なりとお気軽にお寄せください。
6月定例議会本会議の開催予定は6月7(金),8(土),10(月),20(木)の4回で、いずれも朝9時30分からです。7〜10は一般質問、10の後半は議案の説明・質疑、20は討論・採決です。
平成14年4月19日
神谷明彦
E-mail kamiya-a@mbk.nifty.com
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