平成13年3月定例議会報告 (第8号)
3月定例議会が終了しましたので議会報告を致します。3月定例議会では平成13年度(平成13年4月〜平成14年3月)のお金の使い道を決定しました。予算は、一般会計と5つの特別会計(国民健康保険事業、土地取得、老人保健、下水道事業、緒川駅東土地区画整理事業)と水道事業会計に分かれていて、予算書は予算説明書と合わせると400ページ近くに及びます。これらの書類の中に、一般会計119億円、特別会計84億円、合計203億円もの使途が科目毎に記載されています。水道事業は原則独立採算の企業会計になっていて貸借対照表が出てきます。予算書は、議会が始まる1週間前に他の議案といっしょに郵送されてきます。本会議では、担当部長が要点を早口で説明してくれます。
本会議は3月7(水),9(金),10(土),12(月),13(火),23(金)と6回開かれました。このうち、7〜10は主に一般質問、12〜13は議案の説明質疑、23は討論・採決でした。
今回、私は一般質問をしませんでした。従って、議案審議その他について報告します。
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[条例案・その他]
@部制条例の一部改正(組織の改変)
A手数料条例の一部改正(徘徊高齢者支援事業(PHS端末の貸出サービス)の実施)
B保育所条例の一部改正(災害・失業時の保育料の減免)
C児童館条例の一部改正(藤江児童館の設置)
D廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正(粗大ゴミの有料化)
E石浜西部・藤江北部・藤江樋・上子新田・中子新田・緒川駅東地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正(適用区分の明確化)
F都市公園条例の一部改正(このはな館の使用料設定)
G自転車等駐車場条例の一部改正(石浜駅前駐輪場の名称変更)
H駐車場条例の廃止(緒川駅前駐車場の廃止)
I下水道事業受益者負担に関する条例の一部改正(受益者負担金を町内で統一)
J職員の退職手当に関する条例の一部改正(雇用保険法の改正に伴う変更)
K固定資産評価審査委員会委員の選任(戸田實氏の再任)
L町道路線の廃止・認定(1級・2級路線の県下一斉見直し)
M議会政務調査費の交付に関する条例の制定(政務調査費の透明化)
Dは、6月1日から、粗大ごみの収集が有料(1個1000円)戸別収集に切り替わるのに伴う条例改正です。Dのみは、共産党以外の賛成多数で可決、他の議案は、全会一致で可決しました。
Fは、於大公園このはな館の使用料を定めるものです。今まで、貸す態勢が整っていなかったのですが、これで心置きなくコンサートなどのイベントに使うことができます。平成12年6月議会以来、このはな館の有効利用を訴えきたのが一部実った形です。ホールのど真ん中に居座っている象さんが邪魔な場合は、シートをかぶせて屋外に出せるようになります。
Mは、以前から議員一人あたり年間6万円の町政調査費が各会派に対して交付されていましたが、国の法律(地方自治法)の改正を受けて、条例で明確に定めることになったものです。骨子は、”議員一人あたり月額5000円(年間6万円)を上限とする””町政の調査研究に必要な経費として以外の使用不可””収支報告書には領収書を添付し、何人も閲覧を請求できる”などです。
ところで「6万円」の使い道は? 私自身は、平成11年度には、公明党・新政連・無所属の議員さんたちと一緒に山梨県のゼロエミッション(廃棄物ゼロ)をめざしている工業団地(1泊旅行)と市制施行のメリット・デメリットをテーマに人口5万人を越えている滋賀県栗東町(日帰り)に「視察」に行きました。あとは地方自治関係の本を少し買うと6万円を越えてしまいます。平成12年度は、少しでも災害復旧の足しにしてもらおうと全員で返上しました。
名古屋市では、議員一人あたり月額55万円の調査費が支給されて、おまけに使途(領収証)は非公開。月に55万円も、どうやって使うのか想像がつきません。毎月海外旅行にでも行っているのでしょうか?
[予算案]
@平成12年度補正予算
A平成13年度一般会計予算
B平成13年度特別会計予算(国保、土地取得、老健、下水、緒川駅東)
C平成13年度水道事業会計予算
予算案は町長に提案権があり、議員はその予算案に対して賛否を表明する仕組みになっています。すべての予算案が賛成多数で可決されました。採決では、私も賛成しました。
過去8年間の予算の推移を見てみましょう。グラフ1は予算総額の推移です。これを見ると、このところ、一般会計はほぼ横這いで、特別会計が伸びているのがわかります。特別会計の内訳は、グラフ2で、国民健康保険、老人保健、下水道予算の伸びに加えて緒川駅東区画整理が新たに加わっているのがわかります。一般会計の内訳は、グラフ3で、それぞれの支出の予算に占める割合を表しています。この中で目立つのは、民生費の増加と教育費の減少でしょう。
民生費増加の理由は、保育園費、児童手当、障害者福祉、老人介護、国民健康保険・老人保健への繰出金、国民年金の増加などによるもの。
教育費減少の理由は、小中学校の建物整備、西部グラウンドや郷土資料館などの箱モノの建設が一段落したことによります。箱モノ時代の終焉、少子化、高齢者や乳幼児への福祉ニーズの高まり・・・。世相を反映しているのかもしれません。
[意見書]
@家電リサイクル法の見直しを求める意見書
A野菜等の緊急輸入制限(セーフガード)の発動を求める意見書
@Aともに共産党の提案で、共産党を除く反対多数で、否決されました。@は、現行の家電リサイクル法を改め、すべて製造者負担とすることを求めるものです。非常に迷ったのですが、結局反対することにしました。
確かに、廃家電の回収を徹底しようとすれば、製造者の責任において回収するのが最も合理的かつ効果的。一方、家電リサイクル法では、製造者、販売者、消費者がそれぞれ部分的に費用を負担することを定めています。三方痛み分け的な発想で、いかにも日本的妥協の産物です。
しかしながら、ゴミ問題の要は住民の意識だと思うのです。捨てる痛みを実感する必要があると思います。ゴミ減量・不法投棄禁止の意識も出来上がっていないうちに、無料で、お手軽回収などすれば、結局誰かが片付けてくれるものという無責任な発想を払拭できません。さらに、ここ東浦町では、住民によるゴミの分別収集が軌道に乗りつつあり、4月1日からは家電リサイクルの手筈が整っているわけです。そんな時にわざわざ東浦から意見書を出す必要はないと思うのです。皆さんはどうお考えでしょうか。
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平成13年度予算案の中で、東浦のバス運行に関するものは、4〜9月の知多バスへの補助と東西連絡バスの委託料がそれぞれ1580万円と550万円、10〜3月の町運行バス委託料として640万円。そして、中型(50人乗り)低床バスの購入に約1700万円、停留所の設置に約400万円、しめて総事業費4900万円ほどになります。中型低床バスについては、国から3/4程度の補助を期待できるので町の負担は少ないとしていますが、補助金とて元をただせば住民の税金です。バリアフリーは今や社会の流れですが、どれだけのコストが許されるのか、設備を最大限生かすためにはどんな工夫(使い方や宣伝などのソフト)があるのか、まじめな議論が後回しになっているような気がします。
さて、知多バスは、10月から刈谷−半田線のみになる見込みです。東西連絡バスは、10月以降は、町運行バスとして緒川新田から、今夏開店するジャスコで知多バスと接続、健康の森まで路線延長、8時頃から21時台まで、おおむね90分間隔で運行したいとしています。料金は100円均一(小学生未満は無料)を予定しています。
総合交通体系調査特別委員会の要望にあった事前の事業評価は、行われている形跡はありません。今後、町運行バスの具体化に向けて、住民も含めた審議会が作られるものと思われます。
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昨年11月に1回目の除去作業をしたのち、今年は、残りを枯れて沈む直前にやってみようということになりました。それで、3月18日(日)に第2回目を行いました。ホテイアオイは枯れて軽くなっていたので、作業ははかどりました。
生路の厄松池、切池について町が家庭雑排水の流入防止対策として簡単なバイパス水路を作ってくれることになりました。ただ、渇水期に水が涸れないかが心配です。愛知用水の水を入れられるようになれば、池は蘇るはずなのですが、厄松池では、愛知用水の放流口はあるにもかかわらず受益の権利がないため、現状での通水はムリ?とのことです。
巨大に成長、ズシリと重い(11月) 枯れて軽くなったけどトロトロで気持ち悪いという声も。(3月)
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これはあくまでも私個人の目から見た議会活動報告です。私の考えをできるだけ率直に述べたつもりです。意見・考え方を異にする方も居られるのは当然のことと思います。ご意見、ご批判、ご要望、アドバイス等何なりとお気軽にお寄せください。人間一人で考えることには、所詮限りがあります。皆さんとの対話を通じて得られたことを政策に反映していきたいと思っています。
6月定例議会本会議の開催予定は6月9(土),11(月),12(火),22(金)の4回で、いずれも朝9時30分からです。9〜12は一般質問、12の後半は議案の説明・質疑、22は討論・採決です。
平成13年4月18日
神谷明彦
E-mail kamiya-a@mbk.nifty.com
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