平成12年9月定例議会報告  (第6号)

 

 9月定例議会が終了しましたので議会報告を致します。9月議会は元々9月22(金)に終わるはずだったのですが、9月11日の水害で延期され、結局、本会議は、7(木),8(金),9(土),11(月),12(火),18(月)、更に10月にずれ込んで、2(月),11(水)と計8回開かれました。このうち、7〜9は一般質問、11は議案説明・質疑、12は延会を確認したのみ、18は水害に関する緊急質問と補正予算(災害復旧費)の可決、10月2日は議案説明・質疑、10月11日は討論・採決でした。

 今回、私は一般質問をしませんでした。したがって、決算審議その他について報告します。

 

 

 

一般質問

 

 今回は、休ませていただきました。

 

 

 

議案審議

 

 下記の議案が審議されました。決算は共産党を除く賛成多数で可決。その他の議案は全会一致で可決されました。

 

[決算認定]

@平成11年度一般会計決算

A平成11年度特別会計決算

B平成11年度水道事業会計決算

 

[条例案・その他]

@町職員の再任用に関する条例

A町職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正

B町職員の育児休業等に関する条例の一部改正

C町職員の給与に関する条例の一部改正

D町職員の退職手当に関する条例の一部改正

E町企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部改正

F廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正(一般廃棄物処理計画と指定袋の導入)

G平成12年度一般会計補正予算

H平成12年度国民健康保険事業特別会計補正予算

I人権擁護委員の推薦(宮地幸子氏の留任)

J教育委員会委員の選任(本田眞哉氏の留任、成田照導氏の後任に久米賢治氏)

K下水道工事請負契約の締結(藤江前田地内,9030万円,青木建設)

L庁舎内LANパソコンの購入(60台分,1084万円,日本電気情報サービス)

M字の区域の変更(摩耶坪釜土地改良区内)

N環境を大切にするまち・ひがしうら環境宣言

O町道路線の廃止(石浜中子新田地内)

P町道路線の変更・認定(緒川八郎兵衛地内、生路前田地内、藤江三丁地内)

 

[追加議案]

@東海豪雨による災害被害者に対する町税の減免に関する条例

A平成12年度一般会計補正予算(災害復旧と行事の中止)

B平成12年度下水道事業特別会計補正予算(災害復旧)

 

[請願及び意見書]

@新たな定数改善計画の実施と義務教育費国庫負担制度の堅持に関する請願・意見書

A国の私学助成の増額と拡充に関する請願・意見書

B市町村独自の私学助成制度の拡充を求める請願

C道路整備予算の確保に関する意見書

D福祉医療に関する県補助金カットの撤回・復元を求める意見書

 

 

 

決算審議について

 

 9月定例議会の特徴は「決算議会」であることです。平成11年3月の定例議会で可決された平成11年度(平成11年4月〜平成12年3月)予算が適正に執行されたかどうかをチェックするわけです。決算は、一般会計と5つの特別会計(国民健康保険事業、土地取得、老人保健、下水道事業、緒川駅東土地区画整理事業)と水道事業会計に分かれていて、決算書は合わせると400ページを超えます。これらの書類の中に、一般会計128億円、特別会計87億円、合計215億円もの使途が科目毎に記載されています。水道事業は原則独立採算の企業会計になっていて貸借対照表が出てきます。本会議では、担当部長が要点を早口で説明してくれます。

 決算でいつも問題になるのが「滞納」です。町税(町民税、固定資産税、軽自動車税など)、国民健康保険税、手数料・負担金などの未納は、年々増加傾向にあります(グラフ1)。これ以外にも水道料金の未納が、約1,400万円。差し押え、行政サービスの停止、水道給水の停止などの強行手段を使い辛いということもあり、多くが不良債権化しています。そして、滞納者の破産、所在不明、死亡(相続放棄)や時効のため回収不能で債権放棄したものは、この5年間で5,300万円にもなります。まじめに支払っている皆さんが納税意欲を失いかねません。尚、くれぐれも「俺もやってみよっ」とは考えないこと・・・。意外に知られていませんが、役場の担当職員にも国税と同様の職権が与えられており、悪質なケースには断固とした対応をとるそうです。

 私が、決算審議で質問したのは、町債(町の借金)についてです。グラフ2は、一般会計と特別会計を合わせた町債残高です。ご覧の通り増加の一途をたどっていて、平成11年度末には165億円に達しています。これは、平成11年度の歳入総額の約8割に相当します。しかも、この歳入総額の中には、国・県からの交付金・補助金や新たな借金で調達したものも含まれるため、町の自主財源と比較すると、借金(自主財源の約 1.7倍)の方が多くなってしまいます。民間企業にたとえるならば、負債が年間売上よりも多いわけで、(国家財政ほどには切羽詰まっていないにしても、)大変な状態と言えます。(もちろん、町債には、世代間の負担を平準化する役割があるため絶対悪とは言えません。問題はその額です。)

 さらに私が心配なのは、東浦町が明確な人口計画を持っていないことです。今は人口が増えていますが、人口の減りつつある日本で、21世紀も東浦町のみが人口が増え続けるというのは、ちと虫の良過ぎる考えです。急増した分どこかでピークを打って減少に転じるときが来るでしょう。借金の多くは(国から借りた)25年債なので、返し終わるのは一世代後のことです。そのとき、少ない人口に多くの借金を背負わせることにはならないでしょうか。今問題になっている年金と同じ間違いを繰り返してはなりません。

 借金も歳入もいつまでも右肩上がりを続けられると考えるのは、甘いと言わざるを得ません。今まで、公共施設や行政サービスの拡大に次ぐ拡大を続けてきましたが、必要な支出とそうでないものとを厳しく選別して、「小さな政府」をめざす勇気が必要ではないでしょうか。何でもやってくれるに越したことはありませんが、住民の皆さん自らが、本当に何が必要で何が不必要なのか、考えるべきときが来ていると思います。

 

 

 

災害について

 

 今回の東海豪雨で被災された方々には謹んでお見舞い申し上げます。

 9月11日の豪雨では、東浦町の南部では大きな被害はありませんでしたが、北部の森岡地区では石ケ瀬川が決壊し、町役場のある緒川地区でも大規模な冠水があり、3日目にやっと水が引きました。

 私は、11日から12日にかけて、森岡、緒川が大変なことになっていたにもかかわらず、全くお役に立てませんでした。危機管理意識および地域社会に対する心配りの無さに反省すること頻りです。災害時に議員としてどう対応すべきか、今後の課題です。

 9月17日(土)には、町の災害復旧ボランティアに参加しました。総勢30人程度で、粗大ゴミの搬出、浸水した家屋の片づけ(土壁は濡れると落ちてしまうので家の中は泥だらけ)、排水路のトンネルの入り口に詰まった漂流物の撤去などをしました。

 石ケ瀬川の決壊は河道の拡幅工事に伴うJR橋脚付替工事の矢板が川をせき止めていたのも一因ではないかと言われています。緒川地区の冠水については、未曽有の雨量(一晩で600ミリ)に加え、排水ポンプの故障や区画整理の排水対策を疑問視する声も出ています。住民の中に疑問や不安が有る以上、行政はそれに答える(説明)義務があると思います。

 

 住民の生命、健康、財産を守るのは国・地方を含めた行政の務めです。しかし、全ての災害をなくすのは不可能です。必要なのは、限られた予算の中で、緊急を要する対策はどれか、順位をつける勇気です。例えば、カリフォルニアのハイウェーは重要度のランク付けに応じて、高架橋の耐震強度が変えてあるそうです。また、対症療法的な対策に血道を上げる以前に、都市計画に防災の観点を盛り込む必要があると思います。

 

 

 

厄松池のホテイアオイ

 

 昨秋、有志の皆さんと池のホテイアオイを1/4ほど取り除きました。冬の間に、残ったホテイアオイも枯れて沈んでしまい、絶滅してしまったのではと心配する声もありました。ところが、初夏になったら出るわ出るわ、7月上旬の2週間で、あっという間に池一杯になってしまいました。出水の際に排水路をふさぐ心配もありましたが、先日の東海豪雨では大丈夫でした。

 さて、今年も池の掃除とホテイアオイの除去作業をやろうと思います。とりあえず11月12日(日)午後から第1回目を予定しています。飛び入り大歓迎ですので、お時間がありましたら長靴・軍手・汚れても良い格好で奮ってご参加お願いします。皆様のご協力、ご参加を心よりお待ち致しております。

 

 

 

 

 議員になってもう1年が過ぎてしまいました。最初は、議会や行政に対して多くの疑問を感じていました。しかし、だんだん慣れてきて、役所の立場で物を考えるようになってきた気がします。すると、自ずときついことは言えなくなってきます。やはり、議員の中には、フレッシュな、政治・行政の素人が一定数必要ではないでしょうか。小さな町の政治に政党の都合を持ち込むのもどうかと思います。それより大事なことは、ひとりの住民・納税者としての視点ではないでしょうか。

 これはあくまでも私個人の目から見た議会活動報告です。意見・考え方を異にする方も居られるのは当然のことと思います。日本人はとかく議論を避けたがるといわれています。反対意見を言うと、「俺が気にくわねえのか!」と人格攻撃に受け取られるきらいがあります。口論ではなくて議論を経て、東浦の将来を考えていきたいものです。反対意見も大歓迎です。ご意見、ご批判、ご要望、アドバイス等何なりとお気軽にお寄せください。

 12月定例議会本会議の開催予定は12月9・11・12・21日の4回で、いずれも朝9時30分からです。一般質問は9(土),11(月),12(火)の予定です。多分、防災に関する質問がたくさん出ることと思います。傍聴されてみてはいかがでしょう。

 

平成12年10月31日

 

神谷明彦

E-mail kamiya-a@mbk.nifty.com

 

 

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